TOMYAM JOURNAL

世界の片隅でしたためる個人備忘録

Book

[書籍]「デモクラシーの宿命」、「ホモ・サピエンスの15万年」

「デモクラシーの宿命」 猪木武徳 著 民主国家と独裁国家とどちらの国で生きて行きたいかと言われればまあ民主主義の国だろう。それは個人の自由と権利が認められているからだ。ただそんな民主主義、デモクラシーも完璧ではない。本書はその欠陥の部分に焦点…

コーヒーと日本人の文化誌: 世界最高のコーヒーが生まれる場所

文化人類学者、メリー・ホワイト氏による日本文化の解説書。 日本のコーヒーとカフェ文化の変遷を紹介していて、日本社会でのカフェとコーヒーの存在を俯瞰できる一冊。 まず、コーヒーという飲み物はカフェという空間と切っても切り離せないということが紹…

[書籍]JJ 横浜ダイアリーズ

ロバート・ハリス 著 ロバート・ハリスの初長編小説。ハリスさんの青春時代の体験をベースにしたJJと言う名の男の子が主人公のフィクション。ロバート・ハリスファンで彼の本を何冊か読んでいるなら聞き覚えのある話だ。 1964年の横浜という、今よりも猥雑で…

[書籍]モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語

内田洋子 著 内田洋子という名前は以前から知っていた。本屋で著作を見るたびそのタイトルからイタリア在住で、イタリアをテーマに書いているんだろうなと予想していた。 未だイタリアを訪れたことのない私には、いつか行ってみたい憧れの国だ。今回初めて著…

[書籍]青春を山に賭けて 

植村直己 著 冒険家植村直己の名前を聞いたことだけはあった。私自身クライミングをするようになってから、アウトドア方面のことにも多少目が向くようになっていた。 しかし、私は未だに凍傷で手足の指を失うことや、遭難して死んでしまうことも珍しくないア…

[書籍]マリア・シャラポワ自伝

ロシアの女子テニス選手、マリア・シャラポワの自伝。4大会全てを含むグランドスラムで5勝の記録を持つテニス界の人気選手。様々な広告のモデルにも起用されているのでテニスに興味がない人でも名前を聞けば顔が浮かぶだろう。 そんな超有名選手がまだキャ…

親鸞 青春編

五木寛之 著 鎌倉時代の仏僧、親鸞の幼少期から中年になり、越後へ流れるまでの話。五木寛之の作品はこれが初めてになるけど思っていたよりも読みやすい文章でした。あまり仏教に詳しくない私でも取っ付き易く、楽しめました。というのも話の本筋は仏教とは…

[書籍]暗幕のゲルニカ

原田マハ 著 ピカソの代表作、ゲルニカを軸に20世紀当時のピカソと21世紀の近代に生きる主人公が「戦争」というものにアートの力で立ち向かう話。 主人公はようこという日本人女性だ。ピカソもようこも戦争という暴力行為の連鎖を止めるのは武力ではなく…

[書籍]CREATIVE LOCAL エリアリノベーション 海外編

地方活性とは新しい価値観の発明 地域活性化という言葉を聞くようになってから久しい。静岡の田舎で生まれ育った私も、大都市以外で豊かに生きるににはどのような形があるのか常に興味がある。 日本でも都会の若者の間でIターンやUターンを希望する人たちが…

[書籍]広く弱くつながって生きる

佐々木俊尚 著 閉塞感漂う日本の社会。そんな先の不安な将来の社会で、人間関係を切り口に生きることで豊かさを感じれるのではないかとサジェストしている。 ポイント 現代の社会では人は、主に公と私の空間(職場と家)の往き来だけになってしまい、つなが…

[書籍]英国一家、日本をおかわり

マイケル・ブース 著 寺西のぶ子 訳 前作「英国一家、日本を食べる」から10年ぶりの続編。前作を読んだことはないが割と有名なシリーズなので購読した。 安直な日本文化礼賛な内容ではない 実は前作を読んでいなかった理由としてタイトルがある。 本でもテレ…

[書籍]オリバー・ストーン オン プーチン

オリバー・ストーン 著 土方奈美 訳 社会派映画監督として有名なオリバー・ストーン監督の最新作であり、ロシアのプーチン大統領を2年に渡って直接インタビューしたドキュメンタリーの書籍版。ドキュメンタリー版は最近公開され、4月にDVDが販売される。 偏…

[書籍]モチベーション3.0

ダニエル・ピンク 著 「子供には手伝いをした代わりにお小遣いをあげてはいけない」 成果に対する報酬や罰則、つまりアメトムチによって相手をコントロールすることは長い歴史で行われてきたことだ。人類の歴史を振り返ってみると今日まで、例えば子育てや仕…

白身魚のきのこソース 「フランス人が好きな3種の軽い煮込み」

今回は鯛を使ったソテーを作ってみた。鯛の切り身はスーパーで意外と安く手に入る。ちなみにフランス料理ではソテーとはやきつけたあと煮付けることを指すらしい。 鯛の切り身をオリーブオイルで軽く焼く。表面を焼いておくことであとで煮るときに水分を内側…

[書籍]料理でわかるヨーロッパ各国気質

片野優 須貝典子 著 ヨーロッパの食の中心と言えるフランスやイタリアから東欧のセルビアやトルコまで20カ国の食文化を取り上げそこを切り口にした各国の国民気質を紹介している面白い本。 食だけを見て国民気質を定義するのは乱暴だが著者たちもそこは断…

[書籍]あなたに褒められたくて

高倉健 著 高倉健のエッセイ。健さん、文章も味わいがあるなあ。「想い」を大切にしている人なんだということが伝わってくる。 映画では孤高、ストイックな役が多いせいか硬い性格を想像しますがこのエッセイには健さんの人間味にあふれたエピソードが出てき…

[書籍]アフォリズム 525の格言集

言葉に助けられるっていう経験はありますか? これはそういう折に触れては何度も読み返している本です。最初からじっくり読んでも読み応えのある本ですが、ぱっとページを開いてそこにあるアフォリズムを読むということをしても面白いんです。例えば今開いた…

[書籍]行動分析学入門

杉山尚子 著 色々とある心理学の中の一体系。1930年代に米国の心理学者B・Fスキナーによって創始されたもので行動を「分析」する科学です。 人間や人間以外の動物には、それをさせる原因があり、その原因を解明し、行動に関する法則を見入出そうとする科…

[書籍]なぜイタリアの村は美しく元気なのかー市民のスロー思考に答えた農村の選択

宗田好史 著 イタリアの田舎といえば広い農地にポツンポツンと建つ農家、緩やかな丘陵地値にあるワイン畑、有機野菜、美味しい料理、静かで穏やかな生活。そんなイメージがあります。 これらはアグリツーリズモと呼ばれる戦後、景観計画とEUによる農業政策に…