TOMYAM JOURNAL

世界の片隅でしたためる個人備忘録

[書籍]料理でわかるヨーロッパ各国気質

料理でわかるヨーロッパ各国気質

 

片野優 須貝典子 著

 

ヨーロッパの食の中心と言えるフランスやイタリアから東欧のセルビアやトルコまで20カ国の食文化を取り上げそこを切り口にした各国の国民気質を紹介している面白い本。

食だけを見て国民気質を定義するのは乱暴だが著者たちもそこは断った上で書いていて、文章の書き方にもユーモアが感じられる。でも実際読んでみるとなるほどと思ってしまうほど歴史的事実や文献による裏付けがあり、読み物として十分楽しめた。

本書によると歴史事情、地形的な制約ゆえの農作物、それと人の気質が各国独自の食文化を形成していったとある。

例えば人生を楽しむことを美徳とするラテン系のフランスでは人は食べるために生き、そのためフランス料理やそれに合うワインという食文化が栄えた。一方質実剛健な気質のゲルマン系のオランダでは人は生きるために食べる。それゆえ食文化も豪華にはならず質素で倹約的なのだそうだ。

 

本書を読んでいて以前自分も似たようなことを考えたことを思い出した。それは国民気質は食文化、特に食材によって影響されているのでは無いかという考えだ。例えば隣の韓国の料理によく使われる食材は唐辛子、にんにく、にら、豚肉といったパワフルで豪快な味や風味を持っていて、はっきりどっしりしている。それらが韓国人の直情的な性格の形成に一役買っているのでは無いかと思う。中国はその長い歴史で食文化も豊か、というかいろんな食材や珍味を受け入れてきた。それゆえに図太い性格になった。アメリカはケチャップやマスタード、チーズ、砂糖など大雑把だけどインパクトのある味。それはそのままアメリカという国のイメージと重なる。

じゃあ日本はどうか。ミョウガに生姜にワカメにおから。奥ゆかしいといえば聞こえがいいがよくわからないはっきりしない味とも言える。繊細だがはっきりするのが苦手な日本人の気質のようだ。

 

こうして考えてみると全くもってただのこじつけだ。でも遠すぎるわけでも無い気がする。人に行って聞かせるようなことでは無いがこれからも自分だけの仮説として楽しみたい。

 

 

料理でわかるヨーロッパ各国気質

料理でわかるヨーロッパ各国気質

 

 

tomyam9.hatenablog.com