TOMYAM JOURNAL

世界の片隅でしたためる個人備忘録

[書籍]あなたに褒められたくて

あなたに褒められたくて (集英社文庫)

高倉健 著

 

高倉健のエッセイ。健さん、文章も味わいがあるなあ。「想い」を大切にしている人なんだということが伝わってくる。

 

映画では孤高、ストイックな役が多いせいか硬い性格を想像しますがこのエッセイには健さんの人間味にあふれたエピソードが出てきます。

 

気のある女性からもらったキーホルダーを大切にしているところ、それを無くしてしまし落ち込んでしまうところ、プロ野球選手の村田兆治引退試合をテレビで見ていて思わず手紙をしたため兆治さんの家までいってしまうこと、タイトルのあなたに褒められたくてのあなたとは健さんのお母さんのことで、いつまでも自分の意識の中にいる存在だということ、どのエッセイにも健さんの想いが伝わってきます。

 

他の本だったと思いますが健さんは経済最優先の社会はいつか行き詰まる。お金は大事だけどそれだけじゃやりきれない時がくる。これからの時代は想いを大切にしていかなければならないんじゃないかといっていました。

 

本書にある西表島の青年たちの話はその想いを大切にする生き方の例の一つだと思います。

働き方や生き方というのがテーマになる昨今だからこそそばに置いておきたい一冊です。

 

この本は結構前から読んでいて、以前書いた「アフォリズム」と同じように時々読み返す本です。この本を最初に読んだときは今でも覚えています。

 

理由は忘れたけどすごく気持ちが落ちてしまってきついときでした。それでこのエッセイを読んだ後、枯れかけていた心に栄養が染み込んでいくような気分になりました。

人はやっぱ時々良いものに触れて心に栄養を与えてやらないとダメなんだなあと思いました。

 

ビジネス本とかじゃなくてね。

 

芸術というか人の想いがこもっているもの。

そいういうのって打ちひしがれた人の心を支える役割があるんだって再認識させられました。

 

あなたに褒められたくて (集英社文庫)

あなたに褒められたくて (集英社文庫)

 

 

tomyam9.hatenablog.com