TOMYAM JOURNAL

世界の片隅でしたためる個人備忘録

ビーツのスープ

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材料

  • ビーツ(できれば生のビーツが良いが手に入れにくいので缶詰のものを使った)
  • トマト 1個
  • しょうが 少々
  • しお 少々

作り方

  1. 鍋にオリーブオイルを入れ、微塵切りにしたトマト、生姜を炒める。
  2. 缶詰のビーツを加え、一煮立ちさせる。
  3. ブレンダーでスープ状にして、塩で味を整える。

ビーツの紅色が食欲を誘うスープ。ビーツ自体は甘く、酸味が欲しいのでトマトを加えています。生姜も加えることでホット感をプラスしました。めんどくさい時はトマトピューレだけで済ませます。そちらの方が簡単ですしね。このスープは寒い時期にピッタリです。

 

今治風とり皮の照り焼き

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作り方

  1. 照り焼きタレを醤油:みりん:砂糖 = 2:2:1の割合でこしらえる
  2. とり皮を下茹でする(注意!下茹でなしで焼くとキッチンが煙まみれになります。半日は臭いが取れません。)
  3. フライパンに軽く油を敷き、とり皮をヘラで押し付けるように炒める。
  4. 照り焼きタレを絡ませる

 

焼き鳥屋へ行けば必ず注文するとり皮。業務スーパーで安く売られていたので自宅で

今治風にやってみようと思い立ちました。照り焼きタレなのでご飯が進みます。

ただ、鶏肉はモモを始め皮にも脂が豊富ですので自宅のキッチンで焼くと煙、臭い、油の汚れなど後始末が毎回大変です。。やっぱり焼き鳥は焼き鳥屋で食べるのが一番ですね。今後は自宅で鶏肉を調理するときは茹でたり煮たりするだけで食べられる料理を作ることにします。

 

 

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[書籍]「デモクラシーの宿命」、「ホモ・サピエンスの15万年」

「デモクラシーの宿命」 

猪木武徳 著

 

民主国家と独裁国家とどちらの国で生きて行きたいかと言われればまあ民主主義の国だろう。それは個人の自由と権利が認められているからだ。ただそんな民主主義、デモクラシーも完璧ではない。本書はその欠陥の部分に焦点を当て、歴史を学ぶことでそれを保管することの大切さを指摘している。

 

デモクラシーとは自分たちの所属する社会の方向を代表者を立てて議論をして決めて行くことだ。多数決と言ってしまうと完全ではないが大部分を占めていると言ってもいいだろう。本書で指摘しているデモクラシーの欠陥とはその周りと同じ考えから外れることが避難の対象になることだ。それは同調圧力だ。さらにエスカレートするとポピュリズムになる。ポピュリズムとは人々の感情に訴え祝祭性を帯び、一体感を助長する。そのリズムに乗れないとノリが悪いものとして鼻つまみ者になってしまうのだ。以前、チャップリン本に書かれていたように、人々は思考よりもリズムで動いてしまう。リズムは思考を超えてしまうのだ。

思考するのは知識も忍耐力もいる。他者を理解するという寛容は我慢を強いられる。それらに耐えられず感情任せに声をあげられればそれは楽だろう。

しかし感情任せのポピュリズムのたどり着く先は自他を含めた利益の拡大の停止だ。または短期的な利益を追求するあまり、長期的には人間社会が野蛮化も懸念される。

これらを防ぐには抑制の効いた粘り強い姿勢が必要だと著者は説く。

 

デモクラシーの社会では平等化が進む。それは人々を孤立、内省的にさせ、つながりを薄めていく。さらにテクノロジーがその作用を増幅させる。分断された人々は知性や心を育むことをおろそかにする。

 

 

 

ホモ・サピエンス15万年」 

吉澤拓郎 著

 

人類生態学文化人類学のように科学の視点から人類を見ることは、差別のない理解ができるようになる。

私たちの住む人間社会は男女、肌の色、文化、などそれぞれの間にある差によって対立する。そこに分断が起こると差別という問題になる。

本書では人類はこれらの違いによって二項対立するものではなく、スペクトラム、連続体という視点で見ることで差別という意識はなくなるのではないかと説いている。

 

生物学、医学、地理学、社会学など様々な科学的視点から我々は我々はホモ・サピエンスという一種類の人種をベースに全員うっすらと繋がっている。肌の色や体格、性別の違いは個々の遺伝子の違いによって生まれた細やかな違いでしかない。

 

多様性という言葉が浸透して久しい。個々の差別をなくし、違いを認め合い受容することの大切さを表す言葉だ。先に書いたスペクトラムという視点も多様性をより意識させるための言葉だ。多様性とは社会学レベルから生物学のレベルまで見ることができる、生物の生存戦略だ。

あるグループの全員が全く同じ人間で、考え方も、病原菌への耐性も、何もかも一緒だった場合、環境が変化した際に全滅してしまうリスクがある。しかし、全員がそれぞれ個性を持ったグループならば、何人かは生き残る可能性がある。

 

そもそも、生物がオスとメスにわかれて性交することで子孫を残すこと自体が多様性だ。無性生殖により繁殖する生物がいるがそれらの子は皆母体と全く同じ遺伝子をもつクローンだ。無性生殖で繁殖した場合、環境が変化すればクローンもろとも自然淘汰されてしまうリスクがある。有性生殖の生物は性交により異なる遺伝子を受け入れることで環境変化への耐性を増やすことができるのだ。

 

では、子供を持たない人はこの多様性に貢献していないのか。著者は、それは誤解だと指摘する。

スペクトラムとは一種類の生物が示す多彩性だ。全ての人類が同じ遺伝子を持っている。世界中の誰かの子供を残せば、どれだけ姿形が違っても、あなたの生命を次世代につなぐことと同じことらしい。

 

 

スパイダーマン ファー・フロム・ホーム

アヴェンジャーズ・エンドゲーム直後、トニー・スターク(アイアンマン)がいなくなっても世界には次の脅威が襲いかかる。ピーター・パーカー(スパイダーマン)は修学旅行で好きな女の子と話がしたりごく普通のティーンエイジャーがするような生活を送りたいと願いつつもアイアンマンの後を継ぐヒーローとしての自覚と責任を試される。

 

前作では力を手にした少年が自分もヒーローになることに憧れ、アヴェンジャーズの一員としてスタークに認めてもらいたいがために気持ちが先走って失敗しながらもヒーローとしての資質を証明した。

 

今作は父親のような導いてくれる存在であるスタークを失い、さらにその後継者としての重圧がのしかかる。その重圧から逃れたいがため下した判断で、ピーターは世界を危険にさらす失敗をしてしまう。ヒーローは自ら判断し、それが正しいことなのか常に葛藤し続けなければならないという現実に直面する。これは現実社会で人が大人になることと重ねることができる映画だった。

 

ピーターはまだ自分は力不足だと、スタークが自分に託した形見をミステリオに渡してしまう。しかし、責任を全うするかどうかは実際に力があるかどうかはあまり関係ない。

修学旅行の引率のハリントン先生は、うだつの上がらないアンラッキーな中年男だ。彼と生徒たちは旅行の先々でトラブルに巻き込まれるわけだが、同僚のデルが責任を押し付けてくるなか、なんだかんだハリントン先生は頼りないながらも生徒の安全を守るという責務を全うするために奔走するのだ。スパイダーマンが彼の仕事ぶりを目の当たりにする機会がない(なぜなら戦っているから)のはあまりにも残念だ。

 

MCUの映画はストーリーの展開で御都合主義的なところが目立つ。アクション映画だしアクションシーンが及第点ならいいのかもしれない。しかし、ピーターが黒いスーツを渡される際に、金髪美女のエージェントからその場で服を脱げと言われ従いタイミング悪く生徒の一人に見つかり写メを撮られるというのはその後のサブテーマとしてのSNSフェイクニュースの話の展開のためとはいえ無理矢理だった。

[書籍]身体感覚で『論語』を読み直す

身体感覚で『論語』を読みなおす。: ―古代中国の文字から― (新潮文庫)

安田登 著

孔子によって書かれた人生指南書。論語

孔子が生きた時代に存在していた文字と現在普及している漢字との乖離に注目している。例えば「惑」という漢字は孔子の時代には存在しなかった文字だ。よって現在この「惑」という漢字を使って伝えられている孔子の言葉は孔子が本来意図していたこととズレが生じているだろう。その前提で本書では本来使われていた文字に当たることによって孔子の言葉の本来の意味の可能性を探求している。

 

身体感覚で読み直すとはどういうことか。それは孔子が生きた時代に使われていた文字、つまり漢字の原型である象形文字の造りに注目することになる。例えば「手」とは人間の手を模した形というように漢字の原型は絵による表現だった。「鳥」や「木」のように動物や植物の形をもとに作られている文字もあればもちろん人間の身体や仕草から作られたものも多く、こと論語で使用されている文字のほとんどは身体由来の文字で書かれている。つまり孔子の時代の文字とその成り立ちに注目すると孔子が伝えようとしたことはより身体的な表現なのではないかということだ。

 

この孔子の時代の文字と身体感覚に注目して論語を解体してくような解説で特に面白かったのは「心」の存在だ。孔子の時代にはすでに「心」という文字はあった。しかし、まだその時点ではその文字が作られてから500年程度しか立っていなかった。人間が「心」の存在に気づき、それをどのように扱えば良いか理解するにはまだ日が浅かったのだという。(500年という時間は人間一人にとってはとても膨大な時間で、つまり十分時間あったじゃんと思えるが人類の歴史的にみると短いものらしい。)孔子論語は「心」の扱い方を身体の使い方によって学ぶ書だ。

 

だからこそ孔子の時代の文字の形に注目し、どのような身体の作法で心を捉えるのかという視点で読み直してみようというのが本書の趣旨なのだ。

 

身体感覚で『論語』を読みなおす。: ―古代中国の文字から― (新潮文庫)

身体感覚で『論語』を読みなおす。: ―古代中国の文字から― (新潮文庫)

 

 

 

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そら豆とパルメザンチーズ

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  1. そら豆をサヤから取り出し、外皮に切れ目を入れて茹でる。電子レンジで2分程でも代替え可。
  2. 好みの硬さに茹でたら外皮を外す。
  3. オリーブオイルをフライパンで熱しそら豆を入れ、サッと炒める。
  4. そら豆の表面がカリッとしてきたらパルメザンチーズを振る。チーズが少し焦げるまで待つ。
  5. 皿に写してブラックペッパーを振って出来上がり。

 

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父親の畑にて。これからの時期野菜はものすごい勢いで育っていきますね。そら豆はほぼ毎日収穫しないと追いつけません。毎年食べきれなくて3分の1ぐらいは収穫できず仕舞いなんですよね。それでもそら豆はサヤの一つ一つの大きく、さらに一つの枝からたくさん実るので豊作感がどの野菜よりもあります。色も映えますしね。もちろんほかの野菜も勢いよく育っているので家庭菜園など趣味で野菜を作っている人たちはこの時期は楽しいでしょうね。

当方は、貰うだけですが。

 

 

最近読んだ本と感想メモ 2019.5

「火花」 又吉直樹

現代のお笑い芸人の生き方をテーマにした小説。芸人というのは職業というようりも生き方であって、笑いとは何かをストイックに追求する姿はどこか退廃的だ。

 

火花 (文春文庫)

火花 (文春文庫)

 

 

「知の転覆」 橋本治

前書きに印象的な一節があった。

それはヤンキーとそうでないもの(本書では大学出と一応呼称している)の定義だ。

物事の判断基準は「自分の経験したことだけで、その判断基準を広げるということをしない。」これがヤンキー。

一方、これに対する大学出とは「経験値を用いずに、全て知識だけでジャッジする人」だそうだ。

題名の知の転覆とは、このヤンキーが増えていって深く考えることが疎まれている時代だよねということをスパッとわかりやすい文章で説明してくれるエッセイのようなものだった。

 

 

「物語 ドイツの歴史」阿部謹也

ザ・ドイツ史。宗教革命とナチスドイツ時代について知ろうと思って買った。ドイツは位置的にも国の大きさ的にもヨーロッパの中心。その歴史を還見れば民族間や、宗教観の争いの歴史だ。その国の歴史の中にある呪術的なものが現代のその国にどのように残っているのを観察する。ヨーロッパだけでなく世界中でナショナリズムが盛り上がり、ごちゃごちゃになっている。ここ十数年のグローバリズムからの揺り戻しなのだろうか。

 

この二冊は偶然にも「ナショナリズム」というキーワードで共通したテーマがあった。

 

物語 ドイツの歴史―ドイツ的とはなにか (中公新書)

物語 ドイツの歴史―ドイツ的とはなにか (中公新書)

 

 

「発酵文化人類学」 小倉ヒラク

身の回りのどんなのもに発酵が存在するあをナビゲートしてくれる本。発酵には長い歴史と伝統がある。そこには発酵技術の積み重ねもある。しかし、人類はまだ発行の全貌を把握していない。それゆえにまだ新たな発見の可能性があり、最先端の科学技術の研究対象でもある。

発酵とは菌の働きのことだ。菌は場所によって種類も働きも千差万別である。味噌は菌の発酵によって作られるが作る場所の違いによって風味がわかりやすく変わる。それらは菌の働きに任せるオーガニック的な菌との付き合い方だが、一方菌を飼いならし、その働きを人為的に設計しコントロールすることもある。

人類はこの二つの関係性の間で揺らぎながらも未知の世界を少しずつ掘り下げていく。

 

手前味噌作りワークショップの人気が示すように、ものを買って消費する楽しみから体験型の楽しみを求める人が増えていると聞く。その流れと昨今の発酵ブームは無関係ではなさそうだ。

情報過多の現代における「サムシング・ニュー主義」へのカウンターとして「サムシング・スペシャル」へ移行している。

 

 

発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

発酵文化人類学 微生物から見た社会のカタチ

 

 

 

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