TOMYAM JOURNAL

世界の片隅でしたためる個人備忘録

[書籍]広く弱くつながって生きる

 

 

 

広く弱くつながって生きる (幻冬舎新書)

佐々木俊尚 著

閉塞感漂う日本の社会。そんな先の不安な将来の社会で、人間関係を切り口に生きることで豊かさを感じれるのではないかとサジェストしている。

 

ポイント

  • 現代の社会では人は、主に公と私の空間(職場と家)の往き来だけになってしまい、つながりは強く狭くなっている。そこには同調圧力がありそれが窮屈さを生んでいる
  • 人間関係は距離感が大事
  • 共の空間が生活を豊かにしてくれる
  • 弱いつながりとはこの共の空間のことで、趣味の集まりなどの他人とのつながり。それは自分から外に出て築かなけらばならない
  • そのためには愛想よくナイスでいなければならない
  • 共同体は地方などのコンパクトな範囲で築きやすい
  • 弱いつながりは新しい仕事に繋がることもある

転職する際には強いつながりからよりも弱いつながりからの方が有益な情報が得られやすいと言うデータがあるらしい。

そこでふと、昔オーストラリアでトラムに乗っていたときの出来事を思い出した。

目の前の席で二人の客が世間話をしていた。見た所互いに面識はなくたまたま乗り合わせた客同士らしい。

一人の客(確か水道工と言っていた)は最近その街に越してきたばかりなので仕事はないかともう一人に聞いていた。初対面同士でそんなこと聞くのかと思っていたら、もう一人の客が「知り合いが水道関係の仕事やってるから電話してみたらどうだ?番号教えてあげるよ」と応えてあげていた。

当時通っていた語学学校の先生も、仕事を探すときは誰彼構わず聞きまくることが案外有効だと言っていた。僕はは流石にそこまでする勇気はなかったが、そのときは本当にこうやって仕事を見つけることもできるのかと感心した。

まさにこれこそ弱いつながりの実例だろう。

 

自分の身の回りの弱いつながりを考えてみると、確かに仕事や学生時代の友人とは違ったレイヤーで築いた人間関係は年齢も性別もバラバラで面白い。その人たちと飲み会をしたときに仕事の愚痴や、過去の思い出話にならないのは新鮮だった。

そんな経験からも社会に窮屈感を感じるのも豊かに感じるのも人間関係次第という指摘はしっくりくるものがある。

ただ、一つ注意しておきたいのは損得勘定で動く”人脈作り”に熱をあげることはしないということだ。

 

広く弱くつながって生きる (幻冬舎新書)

広く弱くつながって生きる (幻冬舎新書)